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円山応挙(円山派)とは?

円山応挙(ふりがな: まるやまおうきょ、英語: Maruyama Ōkyo、仏語: Maruyama Ōkyo)は、江戸時代中期から後期にかけて活躍した日本画家で、写実的な画風を特徴とする円山派の祖です。1733年に丹波国(現在の京都府)に生まれ、後に京都で活躍しました。彼の絵は正確な観察に基づくリアルな描写と、従来の日本絵画の伝統的な装飾的要素を融合させたもので、江戸時代の絵画界に新しいスタイルをもたらしました

円山応挙の人物伝

円山応挙は1733年に丹波国に生まれ、幼い頃から絵に興味を持っていました。若い頃、彼は京都に移り、狩野派の絵師石田幽汀に師事しました。しかし、狩野派の伝統的な画風だけにとどまらず、西洋画の遠近法や陰影表現にも興味を持ち、これを学びました。彼は絵に写実的な技法を取り入れ、これまでの日本絵画には見られなかったリアルな立体感を描き出すことに成功しました。

応挙の画風は、西洋的な写実性と日本画の伝統的な美意識を融合させたものです。彼は動物や人物、自然風景を細部まで忠実に観察し描写することに力を注ぎました。代表的な作品には、躍動感のある動物画や壮大な風景画が多く含まれますが、特に「幽霊画」なども彼の独特の写実的表現で描かれ、注目されました。

応挙はその生涯を通じて、絵の教育にも力を入れ、多くの弟子を育てました。彼の門下生には長沢芦雪や呉春などがいます。これにより、応挙のスタイルは「円山派」として広まり、江戸時代の日本画の主流派閥の一つとして定着しました。応挙は1795年に京都で亡くなりましたが、その革新性と写実主義は後の日本美術に大きな影響を与え続けています。

代表作

1. 「雪松図屏風」

雪が積もった松の姿を描いた屏風絵で、雪の重さや質感をリアルに表現し、自然の静謐な美しさを感じさせます。

2. 「虎図」

虎を題材にした迫力ある作品で、毛並みや筋肉の描写が非常に細かく、動物のリアルな姿を見事に捉えています。

3. 「保津川図」

保津川の風景を描いた作品で、自然のダイナミズムを写実的に描写。川の流れや山々の広がりがリアルに表現されています。

4. 「幽霊図」

幽霊を描いた作品で、写実的でありながら神秘的な雰囲気が漂う、独特の空気感を醸し出しています。

5. 「松に孔雀図」

豪華な松と美しい孔雀を描いた作品。孔雀の羽の細やかな描写と色彩が、絵全体に華やかさを与えています。

円山応挙の世界的な評価

円山応挙は、日本画の歴史において非常に重要な存在として、国内外で高く評価されています。彼の写実的な表現技法と、日本の伝統的な美意識を融合させたスタイルは、現代でも多くの芸術家に影響を与えています。彼の作品は、日本国内の美術館はもちろん、海外の美術館でも展示されており、日本美術の革新者として世界的な認知度を持っています。



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